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  1. 経営者向けおすすめビジネス書の要約
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すべてがオンラインになった世界でのビジネスの在り方と成長戦略

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分 25 秒です。

目次

アフターデジタル/藤井 保文 尾原 和啓

いきなりですが、「2025年の崖」という言葉をご存じでしょうか?

「2025年の崖」というのは、日本企業全体として、2025年までに「DX」化の波に対応できなかった場合、毎年12兆円の経済損失を生むという問題です。

なお、「DX(デジタルトランスフォーメンション)」とは、簡単に言うと、企業がデジタル技術を上手く活用し、ネットとリアルの両面で顧客価値を創造し、競争力を高めていくというような意味です。

詳細が知りたい方は、経済産業省の「DXレポート」をご参照ください。

私は、こちらの書籍に触れるまで、この問題を存じ上げなかったのですが、それだけに、冒頭で触れられているこの話に、いきなり心を惹きつけられました。

いかにデジタル化の波に日本が乗り遅れているのか、日本企業がどのように変わっていくべきなのかについて知ることができるビジネスパーソン必読の書籍であると感じました。

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本書のポイント

アフターデジタルとは何か?について理解できる

顧客接点の在り方と、アフターデジタル時代のビジネス原理 を理解できる

日本企業のあるあると、DX化へ向けた成長戦略 を理解できる

アフターデジタルとは何か?

アフターデジタルとは?

まず、はじめに、本書のタイトルにもなっている「アフターデジタル」とは何か?について、触れておきます。

簡単に言うと、インターネット技術の発展により、オンラインを前提としたビジネス展開がされている世界の形を表現した言葉です。

オンラインが中心となることで、顧客の購買データの結果だけでなく、一人ひとりが、商品を買うまでにどのように動いたのかという行動データが全て収集可能になります。

人は、「オンラインだから」とか、「オフラインだから」という理由で、購買ツールを選んでいるわけではなく、「その時に一番便利なツール」で買い物をします。

今すぐ喉を潤したいという人は、わざわざAmazonで水を注文せず、コンビニに行きますよね?

ここで大事なのが、顧客がどのようなツールを利用したとしても、そのすべてで行動データを収集できる形にしておくということです。

中国企業の進歩

日本にいると、あまりイメージしにくいかも知れませんが、一足早くデジタル化が進んでいる中国では、

保険会社が、医療情報を提供するアプリを開発し、病状や診察状況などを管理することで、営業のチャンスを増やしたり、

金融会社が、信用スコアを管理し、スコアに応じた特典を用意することで、個人情報を提供させたりと、あらゆるツール提供が進んでいます。

特に、デジタル決済事業を抑えている 「アリババ」と「テンセント」は、顧客のあらゆる行動データが収集できる状態にあります。

中国企業の驚異の歩みについては、是非、本書を手に取って熟読頂ければ幸いです。

危機感すら芽生えること、間違いなしです。

顧客接点の在り方と、アフターデジタル時代のビジネス原理

 

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顧客接点の在り方

デジタル化が進み、絶えず行動データが収集できるようになったとしても、オフラインでのつながりも人間的な温かみを持たせる意味で、とても大切です。

顧客からの信頼性を向上させるためには、いかにして、一人ひとりにきめ細やかな対応ができるか、そこから、いかに人間対人間のコミュニケーションを築いていけるかが問われるからです。

顧客接点の在り方として、本書では、3つのパターン分けがされています。

順に紹介していきます。

ハイタッチ

こちらは、個別対応による密度の高いコミュニケーションです。

例示:訪問、勉強会など

非効率的ではあるものの、特定の人に対応できるからこその感動や、信頼を得られるような徹底した対応をすることができます。

ロータッチ

こちらは、複数人を相手にしたコミュニケーションです。

例示:店舗やイベントなど

オンラインではシェアしきれない、リアルだからこその心地よさや得難い密度の情報提供が行うことができます。

テックタッチ

最後にこちらは、オンラインを活用した人数制限なしのコミュニケーションです。

例示:プラットフォームやアプリの提供、オンラインサロン、ウェブコンテンツ(動画、ブログなど)など

アクセスも簡単で、便利である分、その時々のライバルも多いため、高頻度で使いたいと思わせるような価値を用意する必要があります。

アフターデジタル時代のビジネス原理

原理1:高頻度接点による行動データ収集と体験品質向上のループを回す

便利かつ信頼できる接点を増やし、その一つ一つで行動データを収集し、かつ、その収集した行動データをサービス改善へと活用することで、さらに信頼が増し、、、というサイクルを回すという意味です。

原理2:顧客に対し、最適なタイミングで、最適なコンテンツを、最適なコミュニケーション形態で提供する

顧客にとって、心地がよいタイミングで、ストレスが少ない形で、提案があることで、無駄のないマーケティング活動が行えるという意味です。

日本企業のあるあると、DX化へ向けた成長戦略

日本企業のあるある

 本書では、3つ紹介されています。

あるある1:効率化とテクノロジー活用の先に、無人化があるという勘違い

大事なのは行動データが取れるかどうかであり、無人化できたとしても、行動データが取れないのであれば、成長にはつながりません。

実際に、中国でも店員を無人化する店舗の場合には、複数台のカメラにより、顧客の行動導線、悩むタイミングなどのすべてを録画することで、行動データを収集する一方で、

顧客が訪れやすくするために、実演販売を取り入れたりと、効率化だけが目的でないことが窺えます。

あるある2:オフラインビジネスために、オンラインを活用するという動き

日本では、どうしてもオフラインのサービスのために、インターネット広告を展開したり、オンラインツールでの集客、ホームページ、ブログなどで接点を増やそうとしがちです。

しかし、行動データを取れる仕組みがあるのであれば、オフラインでもオンラインでもどちらでもよく、顧客がそのときどきに求める状況に自分のツールが身近にある状態を作れているかどうかが大事なのです。

あるある3:製品やサービスを中心に考えてしまう

常時インターネットに接続されている社会であるからこそ、

自分が売りたい商品を熱烈にアピールするのではなく、デジタルツールの提供により、顧客との関係性を強めることで、顧客から自然に選んでもらう状態に導いていくことが重要です。

つまり、まず設計すべきは、顧客に体験価値を与え、それと交換する形で、行動データを収集できるプラットフォームであるということです。

DX化へ向けた成長戦略

企業変革の形

まず大事なのが、DX化に向けて企業が変革していこうとする姿勢です。

そのためには、

・全社戦略としての、組織構造の変革と、ビジョン浸透の徹底

・顧客属性に対するアプローチから、顧客が置かれている状況ごとのリアルタイムでの価値提供ができる事業戦略の策定

・顧客と長期的な関係構築、体験価値の創造を描いていく中で、顧客が自社のサービスを通して、どのような状態になっているのかを言語化すること

の3つが掲げられています。

 そのうえで、組織改革として、準備すべき二つの部隊が紹介されています。

UXグロースハック

こちらは、行動データを使って体験価値を改善することで、より良い行動データを集めてループさせていく事業部隊です。

つまりは、サービスの改善部隊です。

UXイノベーション

こちらは、顧客の置かれた状況を新たに発見し、それより幸せになる体験価値を創造することで、接点を増やし、行動データ収集の基となるサービス開発部隊です。

つまりは、「○○のような顧客が一定層いるから、△△のようなツールを開発すれば、みんあが幸せになるし、行動データも集まる」というようなツール開発部隊です。

ポイントの一つ目でも紹介したように、中国では、保険会社が、医療系のアプリを開発したことで、「適切な医療を受けることができない人たち」という状況を発見し、「医療を支援するアプリ」を開発することで、診療状況を把握し、保険の提案につなげたというようイメージです。

おわりに

日本企業、いや、私たちが、ビジネスのデジタル化について、いかに理解できていなかったのかを思い知ることができたかと思います。

一人ひとりの意識が変わることで、

「2025年の壁」とか言ってたね笑

と笑い話になっているぐらいの明るい未来が訪れることを切に願うばかりです。

なお、行動データ収集にあたって必要となるプラットフォーム構築のための戦略論については、以下の記事にてまとめておりますので、ご参考にしてみたください。

ではまた!

まとめノート

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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