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目次
これからの刀を語ろう/森岡 毅
newspicks内での森岡さんのインタビュー動画について、前編のこれまでの刀の動画に続き、これからの刀について語る動画についても、まとめてみました。
以下の画像は、今回のインタビュー動画についての、項目となります。
なお、前編の動画については、以下の記事にてまとめておりますので、ご参考にしてみてください。

この動画で語られていること
①「刀」が描く、事業ポートフォリオ 3本の柱
②沖縄テーマパークから広がる構想
③お金や上場は、手段であり、目的ではない
① 「刀」が描く、事業ポートフォリオ 3本の柱

動画の中で、森岡さんは、「刀」の成長段階の話をされています。
これによると、設立から2年で、ようやく「幼虫からさなぎ」になることができた段階だと言います。
設立から、5年までに、次の事業ポートフォリオをつくるためにも、外部出資をして頂ける企業になるために、実績を出していこうという構想を持っていたそうです。
2020年1月に大和証券からの140億円の出資を受けたことで、事業ポートフォリオの展開に着手できるようになったということですね。
動画の中では、具体的な出資割合は、明かせないけど、「3分の1以上、半分以下」の割合で、株式を発行したと説明されていました。
そこまでの大きな決断をして、描く事業ポートフォリオとはどういったものなのでしょうか?
一つ目の事業ポートフォリオ:マーケティングノウハウを提供し、企業の成長を支援する事業
1つ目は、既存の事業でもありますが、高度なマーケティングノウハウにより、事業の成功を支援するビジネスです。こちらについては、報酬金額が、多額となっている関係上、現状、大企業などの資金力がある会社からの受注がメインになっているそうです。
森岡さんとしても、もっと広く日本経済を支援していきたいという気持ちがあるため、アプリなどを開発して、もっと広く対応できる裾野を広げていきたいという構想があるそうです。
二つ目の事業ポートフォリオ:テーマパークの運営参加事業
2つ目は、エンターテインメントとして、テーマパーク事業に参加するというビジネスです。実際の運営については、「ジャパンエンターテイメント」が行うため、そちらに出資することになるのですが、同社は、加藤健史さんが、代表を務める会社であり、森岡さんとは、USJ時代からも関係性があるそうなので、グループ会社という性格が強いでしょう。こちらに、「刀」から、現状30億円の出資を行っているそうです。
現在は、2,024年~2025年を視野に、沖縄テーマパークの開業準備に向けて動いているそうです。
日本のテーマパークのうち、USJやディズニーランドの2大テーマパークについては、日本で稼いだ収益の一部から大部分が、権利母体である米国に流れる構造になっているらしく、日本経済の成長や、日本で稼いだ収益が日本に帰属するように、USJ時代から構築したノウハウを用いて支援していきたいという構想があるそうです。
この日本で稼いだ収益が米国に流れる状況を、「テーマパーク事業の不合理」と表現されています。
森岡さんの価値観としては、企業成功の条件として、「不便」「不合理」「非効率」のどれかを打破することができたかどうかに掛かっているというものがあるそうです。森岡さんが、立ち向かっているのは、この3つのうちの、「不合理」にあたるということですね。
三つ目の事業ポートフォリオ:企業に資本参加することにより、中から事業を立て直し、成長を支援する事業
3つ目は、大和証券から出資を受け入れたことで、事業着手が加速することになったビジネスなのですが、マーケティングノウハウを提供しただけでは、改善することができない事業に、資本参加をして、直接変えていくためのビジネスです。
VCが、スタートアップなどに対して、行っている事業に近いでしょうか。
いずれは、M&Aなども検討しているという話もありました。
② 沖縄テーマパークから広がる構想

この動画の中で、最も熱く語られているのが、沖縄テーマパークから始まるテーマパークに対する今後の構想についての話です。
テーマパークの役割は、その場所でしか体験できない世界観を売ることにあるという話があり、この世界観を売るエンターテイメントビジネスが、日本経済の成長産業なのだという話があります。これは、D2Cという書籍の中での「モノからコト」から、「コト付きのモノ」が求められる時代になったという話にも共通する価値観なのだなと感じました。
そのテーマパーク事業の出発が、沖縄から始まります。
沖縄は、年間入島人数(インバウンド)が、ハワイとほぼ同じ数だと言います。
森岡さんとしては、「沖縄には、移動圏内3時間以内に3億人のアジア人口があり、海が美しいにもかかわらず、移動時間3時間圏内にイルカしかいないハワイと同じで、しかも、ハワイよりお金を稼げていないのは、アメリカのブランディング意識と日本のブランディング意識の違いだ」と仰っています。
面白い話ですよね。
沖縄を最初のきっかけとして、テーマパークビジネス成功のプロトタイプを作り、やがては、アジアでも複数のテーマパークビジネスを手掛けていく構想を練っているそうです。
現在アメリカがUSJやディズニーランドに対して握っているようなテーマパークビジネスでの権利収入を日本でも握り、日本に収益をもたらす仕組みをつくろうという話だと思います。
沖縄テーマパークの具体的な構想は、環境アセスメント(環境保護ルールの方向性)との関係でまだ公表できないそうですが、沖縄では、大自然の強みを生かした本能を揺さぶられる体験ができる装置をアトラクションにしようという事業ビジョンがあるそうです。
開業が楽しみですね。
③ お金や上場は、手段であり、目的ではない

今回の動画でも、最後に非常に熱い話が展開されております。それは、森岡さんが挑戦し続ける理由です。
森岡さん難しい課題に立ち向かうときに、「どれだけ高い壁であっても、階段をつくれば登ることができる」と考え、「どうすれば登ることができるのか」を意識し、課題に取り組まれるそうです。
P&Gから、USJへ移籍したときも、USJを離れ「刀」を立ち上げる際にも、周囲には反対する人も多かったと言います。
「安定やお金」よりも「挑戦や達成感」
なぜ、「刀」を立ち上げたのかは、前編の動画の通りとなりますので、今回は割愛しますが、森岡さん個人の価値観で言えば、「一生働かなくても、やっていける大金を得たときに、自分はそれでも働いているだろうか?」と考えられたことがあるそうです。
森岡さんが自分に出した答えとしては、「それでも働いている、挑戦し続けている」というものだったそうです。
「安定やお金」よりも「挑戦や達成感」という言葉は、深く、熱いメッセージであると感じました。

森岡さんにとっての、「お金」や「上場」
森岡さんにとっては、お金は、「やりたいアイデアや情熱、世の中を少しでも良くするための力」であり、上場は、「刀がやりたいことをするための資金調達手段」である言います。
お金や上場は、「目的」ではなく、「手段」だということですね。
森岡さんにとっての「刀」
森岡さんが、残していきたいのは、お金ではなく、「事業」と「思想」であるというのは、前編の動画でも語られていましたが、後編で語られているのは、森岡さんにとっての「刀」という存在です。
森岡さんにとっての「刀」とは、「自分の事業と思想やノウハウを遺していくための箱」であると言います。
そして、将来的には、「刀」を、協力なマーケッターを生み出す器として成長させていきたいという構想を持たれているそうです。
今の「刀」は、精鋭集団という性格が強いですが、新卒の方や、マーケティングの経験がない方でも、成長意欲の高い方であれば、成長し、一流のマーケッターになることができる環境に、「刀」がなるということです。
「刀」で育った一流のマーケッターが、やがて巣立ち、他の会社で活躍するとしても、日本経済の成長を支えられるのであれば、素晴らしいことだと語ります。
どこまでも、日本の成長を考えている方なのだと感じ取れます。
おわりに
私は、前編と後編の2つの動画を通して、森岡さんは、日本の経済史に名を残すマーケッターになるのではないかと感じました。
沖縄にて、始まるテーマパーク事業を含め、今後の動向にも注目していきたいと思います!
ではまた!
まとめノート
税理士 ヒロ
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