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「コト付きのモノ」が求められる時代の成長戦略【プロダクトに、世界観を乗せる】

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D2C/佐々木 康裕

D2Cという言葉を最近よく聞きます。私自身「中抜き」のことを、そう呼ぶと思っていたところもあり、そんなD2Cが、なぜ注目されるのか?、そもそもD2Cとは何か?をするために、この書籍に触れました。

この書籍から学べること

①D2Cとは何か?なぜ、今D2Cが求められるのか

②D2C企業と、既存のメーカーとの違い

③D2Cビジネスの成長を図るための指標を知る

①D2Cとは何か?なぜ、今D2Cが求められるのか

そもそも、D2Cとは何か?というところですよね。DtoCや、DTC、DNB、DNVBなどとも表現されることもあるそうですが、すべて同じです。「直接的な顧客との取引(ダイレクトtoコンシューマー)を行うビジネスモデル」という部分では、BtoC企業と混在しがちですが、本書での定義によると、

D2Cとは、ミレニアル世代(1980年代以降出生)以降のターゲットに対して、ユニークな世界観を下敷きに、プロダクト(製品やサービス)と、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)、垂直統合したサプライチェーン(製造から販売までの一連の流れ)を武器に、短期間に急成長を目指すデジタル&データドリブンなライフスタイルブランドのこと

と説明されています。

端的に言えば、機能や製品だけでなく、世界観も売る企業、「モノやコトを乗せて売る企業」といったところでしょうか。

BtoCの中に、D2Cがあるという位置づけでしょうか。

では、なぜD2Cが、求められるのでしょうか?

これには、世代の変化により、顧客は「製品そのものの良さ」よりも、製品に「意味レベルの価値」を求めるようになってきているためと説明されています。

意味レベルの価値を求めるとは、その製品はどのように生み出れたものなのか?どのようなストーリーがあるのか?という信頼性と、その製品を使うことで自分の生活がどのように変わるのか?などの自己実現性を重視した価値判断です。

絶対的にいいモノが買われるわけではなく、良いと思うモノが買われるという市場心理はよく言われるところです。世界観の発信とデータドリブンを組み合わせることにより、顧客との距離を近づけ、顧客を「お客様」ではなく、「コミュニティ」というある種対等な立場で、「一緒に共創していこう」という姿勢を持ち、顧客との直接的に対話を行うために、小売業者の壁をなくし、結果的に中抜きになったのかも知れませんね。

中抜きとなることで、ユーザーの声を改善につなげやすいだけでなく、流通にかかるコストを抑えることができ、安価な価格設定により、顧客への還元をすることもできるため、競争戦略としても注目されています。

②D2C企業と、既存のメーカーとの違いは世界観を発信しているかどうか、と、データを活用しているかどうか

D2Cブランドと、既存メーカーの違いは、なんといっても、製品に世界観を転嫁しているところにあります。

そういった意味では、世界観を巧みにPRすることも重要視しています。

世界観を発信している

なぜ、世界観の発信が必要なのか

そもそも、世界観の発信がなぜ求められるのかについては、これは、「意味レベルの価値」を向上させるためです。

世界観を伝えるためには、短期的な発信ではなく、連続ドラマ的な発信にょり、ブランドの「奥行き」や「深み」を理解してもらうことが求められます。また、顧客との距離を近づけ、長期的な関係強化に努める必要があります。

SNSによる発信文化が根付きつつある現代においては、顧客のループを生み出すためにも顧客に成功体験を積み上げてもらうことも重要です。顧客に自主的に発信してもらうためにも、ブランドに愛着と信頼を持ってもらう必要もあります。

これらの姿勢で、世界観を発信することにより、精神性を備えたブランドとして、「意味レベルでの価値」を高めることにつながるというわけです。

ブランドのメディア化

世界観を発信するためには、ブランドがメディア化していく必要があります。

ポイントは二つあります。

まずは、長尺コンテンツ(雑誌や、映像、PR動画、ドラマ作成)の作成です。これらをつくる目的は、情報量が多く、没入的なコンテンツであるため、顧客がブランドの世界観を認知がしやすいところにあります。

次に、コンテンツな継続的な発信することです。これにより、顧客と言語的、心理的を問わないメッセージのやりとりをすることで、顧客との関係性を強化することができます。

長尺コンテンツをつくるなどは、一見無駄なようにも感じるでしょう。D2C企業の中には、雑誌といっても、カタログではなく、製品を使う際にイメージしやすいような体験についての情報を発信するための雑誌を発行している企業もあるそうです。これが、顧客の口コミや、購買意欲につながることが大いにあるそうです。

こういった、一見「遊び心」や「ムダ」という非効率が、顧客の心をつかみ、口コミなどで伝播していくというのは、非常に面白いですよね。

森岡毅さんも語っていましたが、無駄や恥ずかしいと思っていることに、ブランディングのダイヤモンドがあるということのあらわれではないでしょうか。

データを活用している

顧客との壁がある際のデメリット

データ活用を語るうえで、既存メーカーとの違いを理解しておくことは非常に大事です。

書籍の中で、顧客との間に、小売店や広告事業者が介在する際のデメリットを4つ挙げられています。

小売りなどの壁をなくし、直接顧客と対話することで、これらのデメリットを払拭することができるということです。

・顧客データを詳細に確保することができない(顧客ごとの購買データを管理できない)

・ブランドの世界観の純度が失われる(小売店の売り出し方や、雰囲気に依存してしまう)

・接客方法がバラバラになり、ユーザー体験の一貫性を失う

・広告の効果をダイレクトに読み取ることができない

データー活用のメリット

・関係の長期化(データ取得により、顧客ごとのアプローチが可能)

・顧客の購入から顧客の成功をケアできる(購入だけでなく、継続して使ってもらうことを重要視できる)

「優しいデジタル」の活用

D2Cブランドでは、データをうまく活用するために、「優しいデジタル」活用に重きを置いています。

ポイントは、以下の3つです。

・データがどのように活用されているかを顧客に知ってもらうために、すぐにデータのフィードバックをして、データ提供の不安をなくす

・常時つながることにより、場所や時間の制約から解放する

・コラボレーション感覚をもってもらうための仕組みをつくる(企業とともに、商品を開発している感覚を持つようになる)

③ D2Cビジネスの成長を図るための指標を知る

大事なのは、顧客生涯価値(LTV)

D2Cビジネスを成功に導くためには、顧客生涯価値(LTV)を高めることができるかどうかにかかっています。

顧客生涯価値とは、「特定の顧客が、初めて購入してから顧客であることをやめるまでの一定期間に払った金額の総額のこと」です。

サブスクリプションビジネスを行ううえでも、大事な指標となりますので、以前の書籍でも登場しましたね。

逆説的ではありますが、、LTVが高まったのは、あくまで結果であり、LTVを高めるために、必要以上に顧客にアプローチしたり、売り込んでしまっては、本末転倒です。世界観を発信するうえでは、利益だけに走りすぎないことも重要であることを忘れてはいけません。

何よりも大事なのは、顧客との関係性を強化すること、関係を長期化させていくために、顧客にどのような成功体験を感じてもらい、心を離さないためにどのような戦略を設定していくかを考えることです。

LTVを最大化するために

そのうえで、LTVを最大化するための戦略を押さえておきましょう。

方法は4つあります。

・平均購買単価を上げる

・購買頻度を上げる

・継続期間を長くして、解約率を下げる

・新規顧客獲得コストを下げる

おわりに

D2C企業が、単なる中抜きメーカー企業ではなく、データとブランディングをうまく組み合して、製品にプロダクトを乗せて提供している企業であることがご理解頂けたかと思います。

私も、認識を改め、D2C企業は強いし、これからの時代をつかむのではないかと感じました。

本書では、D2C企業の在り方だけでなく、D2C企業の成功事例も数多く紹介されています。トレンドワードでもあるD2Cを深く理解するためにも、手に取って、ご一読されることをお勧めします。

私は、日本からも、D2C企業から次のユニコーン企業が生まれてくるのではないかと楽しみにしています!

ではまた!

まとめノート

 

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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