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なぜフリマアプリが受けるのかを考える【メルカリの書籍と業界動向より】

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分 13 秒です。

モノを売りやすいサービスを提供するのが、フリマアプリ(オンラインフリーマーケット)

メルカリのOrigami買収や、PayPayのフリマ参入など、何かと話題になったり、競争が激化するフリマアプリ業界。結局はこれも、プラットフォームビジネスの一つとなるのですが、今回は興味本位で、なぜ、フリマアプリ業界が注目されているのかを考えてみました。

事業戦略の策定にご活用頂ければ幸いです。

フリマアプリ業界の3強(認知度順)

①メルカリ

強みは、圧倒的な認知度による取引量の担保です。

最近では、Origami買収により、決済提携業者である信用金庫を囲い込もうとしているとのことです。ただし、この買収は、Origamiの救済に近いとも言われています。

決済事業であるメルペイが本業とどの程度の親和性を生み出すのかという部分に注目したいです。

下記書籍は、メルカリの成り立ちについて、まとめられた書籍ですが、非常に面白いです。

私は、この書籍の中でまなんだことが3つありました。

・福利厚生の充実(女性への不妊治療の支援、育児支援、婚活支援)

→従業員が直面する不安を取り除きたいという趣旨で、職場環境のほか家庭環境支援の充実を図っています。これにより、優秀な従業員の流出を防ぐ効果があるわけですね。なにより、フリマアプリの支持層は、主婦層や若年層です。福利厚生を充実させることで、口コミ効果やユーザーへの信頼性も高まり、優秀な人材のリクルートにもつながるのではないかと考えました。

・フリマアプリの本質を考え抜いたことが成長につながったという話

→Amazonとメルカリを対比したときに、Amazonのユーザーは主に購買層ではないかという側面があります。売り手としての参加を考える人は、少数派です。Amazonとしても無料化やプライム会員などの制度をつくることで、買い手の増加を狙っているといえるでしょう。

一方で、フリマアプリの本質は、「売りやすい市場環境をつくる」ことにあります。不用品を手軽に売れることが売りです。そういう意味では、買いやすい環境をつくるも大事ですが、売り手の参加をいかに促進するのか?が大事なポイントとなってきます。メルカリは、売りやすい!という認知活動を行っていた理由はそこにあるということです。

・ライバルではなく、ユーザーに向き合うというメルカリの思想

メルカリは、経常的に黒字化していないということが問題視されたりします。初期段階の無料化の時期を終えて、販売手数料が10%となり、売上が計上されることになったのですが、それでも最終黒字とはなっていない状況です。2020年2月6日発表の中間決算(半年分の業績)では、売上高329億円に対して、営業損失139億円という状況です。

なぜ、ここまで、経費や原価が膨らんでいるのでしょうか?それは、やはり、ユーザー満足度の追究のために、積極的に投資を行ったり、海外展開することで、市場シェアを高めようと考えて、先行投資を行っているからと言えるのではないでしょうか。このような方針を取れば、短期的には赤字になりがちです。お金を払って、金銭的価値を生まないビッグデータを積み上げることもあるプラットフォームビジネスであるため、なおさらです。そういった意味では、簿外のビッグデータという資産を積み上げているため、今は赤字なんだと言えるのかもしれません。

上場したこともあり、短期的にでも黒字化を目指していない姿勢が無責任だとなじられたりしているようですが、長期的に成長を考えるうえでは、短期的な赤字は気にしなくてもよいと考えます。特にプラットフォーマーについてはなおさらです。

株主としても、長期的な目線でファンとして見守って欲しいものです。

②楽天フリマ:ラクマ(旧フリル)

一番の強みは、販売手数料が3.5%と低いところです。あとは、楽天ポイントが使えるという部分でしょうか。かつて、フリルは、メルカリよりも前に、フリマアプリを開拓していましたが、口コミだけでの宣伝効果や、女性ユーザーのみに限定していたころに、メルカリに追い抜かれたという背景があります。

最近では、片付けコンサルタントのコンマリさんと提携が発表されましたね。不用品と断捨離。すごい相乗効果を生みそうです。

③PayPayフリマ

一番の強みは、資本力と言えるのではないでしょうか。まとめノートには、流通総額2.3兆円と記載がありますが、これは、ヤフオクなどの取引総額も含めた記載です。そもそもPayPayフリマは、2019年秋から始まったサービスなので、今後の動向には、注目です、

フリマアプリを取り巻く環境(業界別審査辞典より)

業界別審査辞典をご存じでしょうか?主に、金融機関の融資担当者の方や、私たち専門家が対応する業界のことを知るために活用するツールとなりますが、事業戦略を策定するうえで、業界の動向を知ることができ便利です。金融機関からの融資交渉のために活用することもできます。

業界の動向

フリマアプリ業界は、1兆円市場に成長すると言われています。5年間で5000億円市場に成長したという背景や、2016年から2倍の成長を描いていることに加え、PayPayフリマの参入です。今後どのような課題が取り巻くと言えるのでしょうか。

第三者依存型ビジネス

フリマアプリは、プラットフォーマーなのですが、そもそも元をたどれば、アプリという時点で、アプリの環境を整えているアップルやgoogleが作ったルールに依存してしまいます。

また、メルカリには、売り手と買い手をつなぐ、配送業者への依存や、金融機関など決済事業者への依存も大きいといえます。

そのような意味では、観察しておかないといけない市場が数多く存在すると言えます。

ユーザー参加の背景

ユーザーがフリマアプリを活用する理由としては、

売り手は、不用品などの有効活用と換金にあり(ここでしか売れない、売りやすいから売る、すぐ換金したいから売る)

買い手は、価格メリットとレア度(安いところで買う、ここでしか買えないから買う)

があると言われております。

これらを両面で囲い込めるかどうかが重要と言えます。

フリマとオークションでは何が違うのか?というところで言えば、売りやすさにあります。オークションは、結局いくらで売れるかわからない部分や、出品から落札までに必ずある程度の期間が必要です。一方でフリマでは、出品してからすぐに購入されるということもあるため、不用品を安くてもいいから、すぐに処分したい売り手には、刺さるというわけです。

課題と展望

フリマアプリの課題として考えられているのは、以下の4つがあります。

・導入期の広告費対応による営業損失

営業損失を招くのは、導入期の広告費対応だけではないと考えます。資本力を武器に、PayPayフリマがキャンペーンを実施していますが、競争が激化するなかで、どのように戦っていくのかが試されるでしょう。

・新機能の開発による利用促進

ユーザーの心を離さないために、新機能の開発をして、顧客満足度を追究し続ける必要があります。

・安心・安全な取引ができるかどうか

→買ったものが、手元に届い。データが流出するなどの問題も怖いですし、少し前にあった現金の出品や盗んだ商品が売られるなどの悪質なユーザーの排除が重要です。最近でも、後払いサービス「Paidy」を使って、家電製品をメルカリで販売し、買い手に二重で請求がされるという事件がありました。

・商品カテゴリーの増加をいかに行うのか

フリマアプリの売り手は、主に不用品を処分したいときなどに利用することが一般的でしょう。

潜在市場である不用品の推定価格合計は、7兆6000億円以上あると言われています。(経済産業省調べ)

その中でも、衣類等が約5分の2以上を占め、書籍等が5分の1を占めている状況です。

メルカリを例にとったときに、今の商品カテゴリーの構成比は、レディース衣類等25%、エンタメホビー19%、メンズ衣類等18%と続きます。まだまだ、潜在市場は大きいため、いかに売りやすい市場であることをアピールすることが大事といえます。

経営改善と収益向上

収益向上という意味では、導入期から、成長期にかけて、営業赤字を出してでも、積み上げたデータをどのように活用していくのかが重要です。

さらに、顧客満足度の追究ちう意味では、偽造品、出品禁止物の排除を行うことで、安心な取引を担保すること。

取引評価の蓄積による流出防止、リピートユーザーの継続的な取引参加の促進を図ることにより、さらなるネットワーク効果を積み上げることが重要です。

終わりに

今回は、フリマアプリ業界について考えてみましたが、やはりプラットフォーマーは強いと考えます。

潜在価値がある業界に着目し、圧倒的なスピードでトップシェアを築いたメルカリというユニコーン企業に一つでも多くのこと見習うことができることがないのか?という趣旨でメルカリを主軸にまとめました。

フリマアプリ業界は、メルカリが圧倒的なトップシェアを築いているにも関わらず、潜在的な価値がまだまだあり、今後も過密が見込まれる面白い市場です。ここからは、いかにメルカリが強者の戦略を取るのか?

現在資本力では強みを持つものの弱者であるPayPayフリマがどのような戦略を取るのかに注目したいところです。

ではまた!

まとめノート(時間がない方はここだけ見てもOK)

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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