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ちょっと待って!相続税の配偶者の軽減特例

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分 8 秒です。

配偶者を大切に扱う気持ちは大事

刺激的なタイトルで、書き始めた記事となりますが、あくまで税務的にお話していくということをまずご理解いただけますと幸いです。

配偶者に財産を渡すべきではない!というような、価値観を私個人が抱えている訳ではありません!笑

相続税配偶者軽減のポイント

①制度の概要

②トータルの影響を考えることが重要

③制度活用は、その後の対策がセット

①配偶者軽減制度の概要

詳細は、国税庁のページをご覧いただければと思いますが、ざっくり説明すると以下の通りです。

・配偶者は、法定相続分か1億6千万円のうち、いずれか多い額まで、相続税を非課税とする制度

現在配偶者の法定相続分は、

相続人が、配偶者と直系卑属の場合には、2分の1

相続人が、配偶者と直系尊属の場合には、3分の2

相続人が、配偶者と兄弟姉妹である場合には、4分の3

となります。

次のポイント以降で触れますが、配偶者にすべて集めれば、税金かからないね!というような対策は、誤りであるケースがほとんどなので注意が必要です。

②利用には、トータルの影響を考えることが重要

これは、資産承継に対応する専門家には、だいぶと基本的な話となりますが、配偶者の税額軽減を限界まで活用することが、税負担的に必ず正しいというケースは少ないです。

それはなぜか?

なぜ、配偶者の軽減が存在するのか?を考えると、面白いのですが、この制度は、夫婦間の横の承継については、税金がかからないようにしましょうというところに趣旨があります。

ここで、考えないといけないのが、全体的な資産承継の視点です。資産承継とは、正解がない中で、次の世代にどのように残すことが一番よい形なのかを考えるのが、本質です。

仮に、マックスまで配偶者の税額軽減を利用した場合で考えてみましょう。

配偶者への横の承継の時には、税金が安くすむかも知れませんが、近い将来残された配偶者に万が一があった場合には、元々の配偶者が所有していた財産に加えて、ご主人、奥様から引き継いだ財産を合計したところに相続税が課税されます。

 

相続税は、財産規模によって、税率が上がっていく構造になっているため、トータルで見れば、税率が上昇し、税金が増えるケースがほとんどです。

そこで、専門家の中では、配偶者への相続は抑えて、今回の税金は増えても、トータル安くなるようにしましょうという提案をする先生もいるということです。

しかし、抑えておかないといけないのは、これだけではありません。あくまで、全体的な視点が重要です。

あえて、配偶者軽減を活用したほうが、トータルの税金が減少するケースもあります。

そちらについては、次のポイントで説明します。

③制度を利用する場合には、その後の対策がセット

配偶者が、既に高齢である場合や、認知症になっている場合には、ポイントの二つ目で触れたとおり、その後対策を行わない前提で、配偶者の取得割合を下げるのが、トータルの税金が下がるという意味では正しいプランです。

ただし、その後配偶者が対策を行う場合には、配偶者の税額軽減を積極的に活用したほうが良いケースもあります。

配偶者が、資産を組み替えたり、生前贈与により、対策を行うケースはもちろんですが、老人ホームの入居金を負担する場合や、海外旅行などを楽しもうとする場合など何か行動を起こそうとしている場合には、このあたりの話は重要です。

税務的な対策を具体的にいくつか触れていくと、代表的なものが、生前贈与と自宅のリフォームをはじめとする不動産の有効活用です。

生前贈与の税効果については、以前の記事でも触れたとおりですが、配偶者が引き継いだ財産に対してということでいえば、「教育資金贈与」や「住宅資金贈与」、「障害者のための贈与信託」を活用すれば、非課税により、次世代へ金銭を承継できるため、いったん非課税で引き継いだ財産を非課税で承継していくプランも可能ということですね。

不動産の有効活用で言えば、金銭を不動産に変えることで、評価額を引き下げて、次の相続に備えようという趣旨となります。

ここで、気を付けないといけないのは、明らかな租税回避と考えられるような有効活用は、否認されるリスクが高いので、慎重に検討して頂ければと思います。

おわりに

節税だけが、相続対策ではありません。ナイーブな問題になりがちな、遺産分割の場面では、あ結局何が一番自分たち家族になじむのかを考えて検討することが必要だと思います。

ただ、検討の手札は多いほうが良いかなと言うことで、今回の記事で、新たな発見につながることがあれば良いなということで、配偶者軽減の認識の話を取り上げました。

専門家の提案のみをうのみにするのではなく、本当にそれが正解なのか?という視点を持つことが、結局専門家の能力を底上げするきっかけにもなると考えております!

ではまた1

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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