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私たちは世界の倒産事件から何を学べるのか

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分 23 秒です。

世界倒産図鑑/荒木 博行

「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」というよく出てくる言葉。

経営という複雑な問題であるからこそ歴史や間接経験により学ぶ重要性を感じます。

今回は、世界の大企業の倒産事件を企業の成り立ちから、倒産の原因と学びを25社紹介した書籍を取り上げます。

したがって、どちらかといえば、歴史にフォーカスということです。

日本初スタートアップの間接経験を通して、学ぶための書籍も過去に紹介しているので、そちらも参考にしていただけると幸いです。

倒産の背景にある5つのタイプ

倒産には、以下の5つのタイプがあるということで、タイプごとに企業をあてはめて、この書籍ではその企業のことを知らなかった人たちにも、時代の背景説明含め、非常にわかりやすく解説されています。

①過去の亡霊型

②脆弱シナリオ型

③焦りからの逸脱型

④大雑把型

⑤機能不全型

それでは、軽く説明していきましょう。

① 過去の亡霊型

こちらは、過去の成功体験のしがらみから抜け出せず、倒産していくタイプです。

ポロライド社、コダック社、ブロックバスター社、そごう社などが紹介されています。

地価相場の変動によるビジネスモデルの崩壊、消費者の需要変化への対応不足、技術革新のような環境変化についていかなけったケースといえるでしょう。

自分たちのビジネスの前提はどこにあるのか?環境は変わっていないのか?環境が変わる兆しはないのか?を読み切れなかったのが、倒産の原因ではないでしょうか。

② 脆弱シナリオ型

こちらは、脆弱なシナリオに依存して、何かがあったら終わってしまうというリスクが顕在化して倒産したタイプです。

エンロン、ワールドコム、エルピーダメモリ、ベアリングス銀行、鈴木商店などが紹介されています。

資金調達の手法として、外部借入だけに依存することで、地価の変動による担保価値の下落、設備投資の失敗などによるキャッシュ確保不足により、返済が困難となるケース。

または、株式公開による調達だけに依存し、株価に依存することで、期待度を過剰にアピールし続けることで、失敗できない風土、失敗を隠す風土、粉飾決算も仕方ないとする風土を招くケースが考えられます。

経営には、「不正のトライアングル」が3つそろえば、不正が起こる可能性が高まるという考え方があり、このトライアングルの要因こそが、

・不正をしようとすればできる機会があること

・不正をすれば、現状の問題解決ができること

・不正をするのは、仕方なかったというように正当化する理由があること

の3つと言われているようです。

資金調達の状況として、安定的にキャッシュを確保できるビジネスを抱えているかどうか、株価暴落や、「○○ショック」のような有事を常に想定した経営ができているかが大事であるということでしょう。

③ 焦りからの逸脱型

こちらは、焦りから許攸範囲を逸脱して倒産へいたるタイプです。

山一證券、北海道拓殖銀行、リーマンブラザーズなどが紹介されています。

銀行であれば、その焦りから、融資審査の基準が緩くなってしまうことで、バブル経済や恐慌の到来により、融資先の倒産により、大量の不良債権を抱えたケースとしては、共通点が多いと感じました。

景気好調や高度経済成長により、多少強引な融資でも成立していた時ほど、リスクを想定し、なぜ成立してしまっているのかというプロセスにこだわることが大切と言えるでしょう。

④ 大雑把型

こちらは、マネジメント体制がアバウト過ぎたために、倒産したタイプです。

NOVA、マイカル、林原などが紹介されていました。

一時的に成功しているビジネスモデルが、変化していく市場ニーズや環境にマッチし続けるのか、常に検討する必要があると感じた事例が多かったです。

NOVAであれば、生徒から前金形式により、徴収し、それをさらなる拠点拡大に充てていたわけですが、このような自転車操業を前提としている資金運営は、クレームにより、返金騒ぎが起こった場合には、リスクが顕在化します。また、先にお金を頂いていることで、サービスに関する意識が低下し、「来なくなる人は、勝手にすればいい」というような風土を生んでしまう可能性すら秘めています。

経営者が現場を理解せず、大雑把な経営をすることで、顧客の不満に対する迅速に反応できる規律が存在せず、クレームを防止するルールづくりや、需要の変化を迅速に読み取るような「守り」のための備えができていないタイプといえるでしょう。

⑤ 機能不全型

こちらは、経営と現場の距離感が遠すぎて、倒産するタイプです。

コンチネンタル航空、タカタ、シアーズが紹介されていました。

経営者が、従業員の気持ちを理解していなかったり、現場の細部まで管理しきれていなかったことによる失敗と言えるでしょう。

特に、エアバッグのリコール問題による「タカタショック」を引き起こしたタカタの場合には、製品開発をしていた日本人経営層と生産を行っていた米国の現場で

「革新的な技術ではあるが、高品質で丁寧な管理が必要であり、非常に扱いが難しい化学製品を用いている」

という製造に対する意識が統一されておらず、乱雑な製造環境を行い、質の低い製品を供給してしまっていた実情があるそうです。これにより、扱いが難しい化学製品が事件を引き起こしたということです。

経営陣としては、扱いが難しい化学製品を用いた製品開発に成功することで、業界に革命をもたらし、圧倒的なシェア獲得をしたのですが、発明をゴールを考えてしまい、その出口までの管理までがしっかり統制がとれていなかったケースといえるでしょう。そのリコール時の対応見積額は、1兆円を優に超える金額と言われています。

倒産企業の共通点

本記事の最後に、私がこの書籍を通して、いくつかの倒産企業に共通していると感じた要因を整理してみようと思います。すべては、まとめノートに記述しておりますので、ここでは、5つだけ取り上げます。

・未知のものや変化に対応できなかった

・意思決定のタイミングに失敗した

・資金調達の方法が、何か一つに大きく依存していた

・組織内部での意思疎通がされておらず、ワンマンによる圧政人事やプレッシャー人事が行われていた

・外部環境が変わっていきつつある中での、結果論として無駄だった多額の設備投資を行った

この対応策もそれぞれ、まとめノートに記載しておきましたので、参考にして頂ければ幸いです。

私たちは、これらの倒産企業の事例を、「運が悪かった」や「バブル経済」や「リーマンショック」のせいだと単純に片付けることなく、「なぜそのような状態になるまで放置されるに至ったのか」、「なぜ変化できない組織ができあがるのか」という理由をしっかり考え、それが、自社の経営にあてはまっていないのかを意識し、常にアップデートしていくことが大切であると考えます。

特にイノベーションを起こすには、企業母体が大きくなるほど、抱える従業員も増え、成功するかどうかわからないことに、一時的に出血する勇気が伴うものです。

常に変える勇気を持ち続ち、買えるタイミングを見極めましょう!ということなのでしょうね。

ではまた!

まとめノート(時間がない方は、これだけ見てもOK!)

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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