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今さら顧問税理士には聞けない「生前贈与が生み出す3つの税効果」

この記事を読むのに必要な時間は約 2 分 50 秒です。

今さら顧問税理士に聞けない生前贈与が生み出す3つの効果

お子様やお孫様に毎年生前贈与をされている方も多いと思います。

贈与税の仕組みについては、以下の記事で解説しましたが、今回は、生前贈与が生み出す3つの税効果に注目して解説していきたいと思います。

[getpost id=”170″ title=”贈与税の基本については、こちらから” target=”_blank”]

生前贈与が生み出す3つの税効果

①トータルの税金が減る可能性がある

②財産評価額を固定できる

③収益を付け替えることができることもある

では、順を追って、説明していきましょう。

① トータルの税金が減る可能性がある

まず、トータルの税金を減少させる効果です。

こちらは、贈与税の仕組みの記事でも解説したので、深くは、語りませんが、ざっくり言うと、想定される相続税率よりも低い贈与税率で生前贈与を行うと、一時的に贈与税の負担が発生しても、トータルの税金が減るというものです。

自分で、何か行動して、税金を払いにいく話なので、少し抵抗があるかもしれませんが、長い目線で見ましょう。という話ですね。

なお、生前贈与は、110万円の生前贈与を、複数人に長期間行うのが、一番効果があるのですが、どうしても生前贈与をする余裕とか、意識が向くのは、高齢になってからが多いので、短期間での実行となると、贈与額を上げざるを得ないというような結論になることが多いです。

② 財産評価額を固定できる

生前贈与をする時点で、税金を計算するのですから、評価額固定されるのは、当たり前でしょ?

そう思いますよね。

話がややこしくなりますが、民法上の遺産分割では、原則として、取り込む評価額は、生前贈与時点ではなく、遺産分割時点であったり、相続開始時点の時価だったりします。つまり、法律によって、評価額が固定されるかどうかは、違うということですね。

この点税法では、評価額は、生前贈与をした時点で固定されるという考え方を取っています。

これが、実際どのように影響してくるのか?ということですよね。

評価額固定には、3つの使い方があります。

・短期的に評価額を引き下げて、財産を次世代へ承継するケース

・今後確実に評価額が上昇する見込みのものを、今のうちに次世代へ承継しておくケース

・相続税の計算に取り込まれるのが確実な財産について、評価額を引き下げておくケース

まず、一つ目の使い方は、事業承継の場面でよく使われるのですが、株価対策を行ったり、赤字決算などの株価が限界まで下がったタイミングで、生前贈与を実行するような使い方です。

次に二つ目の使い方は、これも事業承継の場面で、使われることが多いですが、例えば、将来的に上場を計画しているような株式を先に次世代に承継しておくケース(議決権の確保などの仕組みは必要)や、毎年安定して、利益を出し続けている会社の株式を今のうちに承継しておくような使い方です。

最後に三つ目の使い方は、未上場株式などに存在する納税を猶予してもらう特例を適用する際に使われることが多いです。相続税の納税猶予額を計算するうえでは、贈与時点の株式評価額が、株式を贈与した人の相続開始時点の相続税申告でも用いることになります。

相続税の仕組みを今一度思い出して頂ければと思いますが、相続税は、いったん相続人全員分の相続税を計算したうえで、財産を受け取った割合で按分して、税額が決まっていきます。

ということは、未上場株式について、納税が猶予されることとなる後継者はさておき、取り込まれる株価が高いと、後継者以外の相続税額も相対的に上昇するということです。

後継者と後継者以外で不公平な状態にならないように、株価を下げておくということですね。

③ 収益を付け替えることができることもある

最後に、3つ目の効果です。

収益を付け替えることができるかもということで、こちらは、賃貸不動産の承継や、安定的な配当や分配金、利息を受け取ることが予定されている有価証券の承継に活用されることが多い効果です。

例えば、毎年1000万円現金収支を生み出す元本評価額2億円の財産があった場合で考えてみましょう。

次の表をご覧ください。

ざっくりとしたイメージをお持ち頂ければ十分ですが、収益を生み出す資産の場合、早く移転したほうが、トータルの税金は減少する可能性があるということです。

もちろん、この際にも、財産の評価額だけでなく、適用される相続税率、贈与税率がどの程度かを見ながら検討することが重要です。

おわりに

いかがだったでしょうか?

効果が分かっていると、対策を検討しやすいですよね。

なお、あくまで今回は税効果に着目して解説しましたが、実際には、不動産である場合には、登録免許税や不動産取得税などの移転コスト、司法書士報酬も考慮に入れて、検討する必要がありますし、生前贈与を行うことで、家族関係がぎくしゃくしたり、取り返しのつかない生前贈与の仕組みをつくることで、老後資金に困るようなことがあれば、元も子もありません。

資産承継に関する対策は、ご自身のライフプランに合わせて、慎重に設計し、実行されることを推奨します!

ではまた!

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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