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「節税」、「脱税」、「租税回避」の違いを飲食店の利用方法で例えてみた。

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分 12 秒です。

「節税」、「脱税」、「租税回避」とは?意味合いが分かっていると対策の危なさを把握しやすい

私自身、顧客の悩みを解決するコンサルティング案件をメインに行う比較的大手の税理士事務所に所属しています。

税理士って何してる人なの?「脱税」に加担する人のことですか?などとあまり分かっていない人たちからは、粉飾事件の報道などのイメージからか、失礼ではないか?と思うような質問を受けることもあります、、、学生時代の友人に多いですが。。。

断じて申し上げておきますが、私は「脱税」という「超えてはいけない一線」を超えたことはないですし、今後も超えるつもりもありません。公序良俗に反するような対策には、あまり加担したくないのが、本音です。

税法の取り扱いであれば、あくまで、「節税」目線での提案を心がけるのをモットーにしております。

しかし、難しいのが、「租税回避」の立ち位置です。

「節税」と「租税回避」の間に明確な線引きがあるわけではなく、あくまで、価値観とか裁判例の情報に、日々ひやひやするしかない部分もあります。本当に大丈夫なのか?というような取引は、毎年の税制改正により、封じ込められていく印象もあります。

このあたりのバランスを判断するのが、私たち専門家の役割の一つだと考えております。

ただし、私たち、専門家ですら判断が難しいのですから、世間的には意味不明な部分も多いだろうなと思います。

ということで、飲食店の利用方法に例えることで、まずその位置づけをイメージして頂ければと考えました。

「節税」「脱税」「租税回避」を飲食店の利用で例えてみました

例えると、次の図のようになります。

①節税行為

節税とは、税法条文が想定している範囲内で税負担の減少を考え、実行する行為という位置づけです。

人の行動は様々なように、利益の生み出し方や経費の支払い方、資産の運用の仕方など経済活動も様々です。税法では、あらゆる可能性を想定して、法律が作られているため、非常に複雑になっているのですが、その税法の中で、想定内であったり、

「まぁちょっとおかしいような気もするけど、是正するまでではないかぁ」

ぐらいの温度感の行為です。

飲食店の利用で例えると、クーポン券の利用としましたが、これは想定内での話で、是正するまでではないというところで言えば、例えば、行列に代わりに並んでもらうとか、変装などをして、何度もお得サービスを受けるなどは、「節税」みたいな位置づけとなるでしょう。

②脱税行為

次に、脱税とは、会計的に言えば、二重帳簿をつくる、粉飾決算をするということになりますし、相続税の場面で言えば、現金をタンス預金したり、海外に運んで隠すなどの行為とか、悪意的に子供や孫の名前で預金口座などを開設し、贈与税などを払わず、財産を蓄積する行為もこれにあたるでしょう。ポイントは、あくまで「悪意的」かどうかです。

飲食店の利用で例えると、クーポン券の偽造や、食い逃げとしましたが、これはもう悪意的ですよね。お店の食器を割り放題したり、虫や髪の毛を仕込んで騒いだり、架空の住所あてに出前を頼むなどもこれにあたるでしょう。言わば迷惑行為ですね。

「ばれないと思ったんですか?ダメなのはわかってましたよね?」

ぐらいの温度感です。なので、罰則も重たいです。

③租税回避行為

最後に一番難しいのが、租税回避です。

説明も複雑ですから、飲食店の例えも一番悩んだ結果、やはり複雑になりました。

ご容赦ください、、、

租税回避のポイントは主に二つと言われております。

・通常の取引と同一の経済効果を生んでいる

・通常の取引と取引形式を変えることにより、税金が減少している

といった具合です。

相続税対策として、不動産を購入する行為は、ただちに租税回避まではいかないのですが、例えば、以前の記事でも説明したように、時価と財産評価の取り扱いの乖離を利用して、不動産を購入するような行為は租税回避と判断されやすいです。

現預金で持ってても、不動産で持ってても、換金できる金額は同じなのに、評価額だけ大きく下がっているからです。タワーマンションの否認事例もたくさんあります。

未上場株式の評価の取り扱いでは、租税回避か節税かで争った事例は数多く存在しているので、そのあたりはまた別の記事で触れていこうと思います。

飲食店の利用で例えると、破産する可能性の高い人がクレジットカードで決済を重ねて、債務不履行のまま破産するとしました。

経済的な行為としては、飲食店にお金は払っているわけです、(カード会社は困りますが、、、)

どちらかと言えば、「脱税」の例えに近い気もしてきましたが、気のせいです笑

「取引形式を変えることで」の部分は、膨らませようと思えば、いくらでも複雑にできるのですが、複雑にしてもただの自己満足に終わりそうなので、やめておきますね。

おわりに

事業承継や資産承継、事業運営上で節税対策を検討される場合、これらの温度感を理解して、抑えておくことは、非常に大事です。租税回避行為というのは、否認されて、多額の追徴課税がされるほか、ニュースにもなりやすく、企業イメージを損なう可能性すらあります。

ホワイト、オフホワイト、グレー、ブラックの線引きを持ち、自分をどこまで律することができるかが大事ということでしょう!

ではまた!

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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