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環境の変化に対応する組織とは?【失敗の本質と東大卒プロゲーマーときど】

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分 15 秒です。

「超」入門 失敗の本質/鈴木 博毅

名著「失敗の研究」をご存じでしょうか?

日本軍が、第二次世界大戦で敗北した理由を、組織人事の在り方や、現場との連携不足などの観点から、重要な戦線ごとに問題点を解説している書籍です。

経営者の方であれば、名著「人を動かす」と合わせて、一度はお勧めされたことがある書籍ではないでしょうか?

私も、2~3年前に、知人の経営者から勧められて読み、非常に面白い書籍だなと感じました。書籍自体は、1984年に出版されたものですが、実に35年以上読み継がれていているということになります。

本書は、その「失敗の本質」を現代のビジネスと紐づけた解説と合わせて、非常にわかりやすくかみ砕いた状態で解説されている書籍となります。原作は、部隊や地名など色々出てきて、読むのに時間もかかりましたが、こちらは非常に読みやすい印象でした。

 

本書のポイント

本書では、日本軍敗北のポイントを改めて、七つの理由に分解(戦略性、思考法、イノベーション、型の伝承、組織運営、リーダーシップ、日本的メンタリティ)しているのですが、私は、これを大きく3つに整理しました。

①環境変化の対応力

②本質の追究不足

③人事の仕組みと組織運営

①環境変化の対応力

まず、環境変化の対応力ということですが、現代の私たちが置かれている環境は常に変化しています。

今年売れている商品が来年も売れているとは限らない状況です。下手すると、明日の来月の状況すらわかりません。芸能人で言っても、果たして何人の芸能人が流行語をつくって、消えていったことでしょうか。他人事なので、実感はありませんが、恐ろしい限りです。タピオカ店の行列もいつまで続くのでしょうか?

戦略は、何を指標(この市場での勝負は、「○○で決まる」の○○の部分)にするかで決まります。

例えばプラットフォーマーの場合は、プラットフォームに参加してくれる人を増やすことが勝負だと考える企業も多いでしょう。そのために、無料化などを行うのですね。

この指標は、環境の変化に応じて設定し直す必要があるのですが、どうしても一度設定した指標をゼロにするというのは、心理的抵抗が大きくなります。

先のプラットフォーマーの場合で言うと、参加してくれる人が多いほうが、プラットフォームの価値が上がる、いわゆる「ネットワーク効果」や、参加者の動向やデータを収集することで、サービス開発に役立てようとする意図があることがほとんどかと思いますが、このデータ収集ができなくなるようなルール変更があった場合には、どうでしょう?

無料で参加させても、データを収集できないのなら?と考える必要がありそうですよね。

指標や戦略が不明確であると、混乱と敗北を招く一方で、これが明確であれば、目標達成へのスピードを加速させます。間違った方向への努力をしないために、常に方向性を見直す必要があるということでしょう。

そのうえで、日本人というのは、ルールの中で、鍛錬しようという気持ちが強く、これはある意味強みでもあり、「メイドインジャパン」の信頼性を高めた過去があるのですが、弱みにもなりえます。それは、米国企業などが行う、ルールの変更です。「ガラケー」が市場からほとんど撤退し、「スマホ」が携帯電話の基本となったように、いくら技術を高めてもゼロベースになってしまう部分も出てきます。

そのためには、「ルールをみずから変える思考法」や「環境の変化を想定して、鍛錬し続けるひたむきさ」が大事ということですね。

環境の変化と東大卒プロゲーマーときど

ここで、余談として、東大卒プロゲーマーときどさんの話を紹介したいと思います。

ときどさんは、「ビースト」のニックネームで知られる日本人初プロゲーマー梅原大吾さんに続く二人目のプロゲーマーになられた東大卒の方です。

ゲームという分野は、「eスポーツ」として、オリンピック種目にもなるのではないかと注目されていますが、そもそも、ときどさんが参加されている格闘ゲームの世界では、キャラクターの能力調整などが日々行われ、アップデートされていくことで、日々ルールや環境が変わることが日常茶飯事ということです。それも予告なしに訪れるそうです。

ときどさん自身も環境変化によって、一時期スランプに陥るなど苦労をされています。

ときどさんは、ビジネス書として「努力2.0」jという書籍を最近出版されていますが、その中で、

・「負けてから対応」では遅く、いつでもアンテナを張って改善点を考える重要性

・状況が変わったら、計画を思い切って捨てて、ゼロに戻す勇気

・勝利一直線の考え方の脆さ

・なんとなくできるという言語化できない状態の危うさ

・ラクして勝てる環境は、いつか調整される意識

などその思考法の紹介もされているので、興味がある方はぜひご一読いただければと思います。

②本質の追究不足

本題に戻りましょう。

続いては、本質の追究不足です。

日本人に限ったことではないですが、人は、過去の成功体験に縛られて、破壊的なイノベーションを起こすことを避けたがります。いわゆる「イノベーションのジレンマ」。

過去にイノベーションを起こした企業の場合には、その商品がなぜ成功したのか?という成功体験の本質を追究せず、型だけを承継していく仕組みもあるでしょう。

型だけを承継していくとどのような組織になりがちなのかは、次のポイントで触れることとして、ここでは、本質を追究しないとどうなるのかの部分にフォーカスしたいと思います。

一番の問題点は、イノベーションが起こりにくい組織、個人の自主性が育たない組織になってしまうということです。

それでは、イノベーションと本質追究がどう結びつくのか?イノベーションはどのように起こせばいいのか?ということですよね。

イノベーションを生み出す3つの要素として以下のことが説明されています。

・市場で勝敗を支配している「既存の指標」を発見する

・敵が使いこなす指標を「無効化」する

・既存の指標を凌駕する「新たな指標」で戦う

書籍の中では、アップル社が、音楽をダウンロードできる仕組みを作った話や、オープンソースでアプリを開発させることで、iPhoneの価値を高めたなどの話が紹介されています。

③人事の仕組みと組織運営

最後に人事の仕組みの脆さについてです。

前のポイントで型だけを承継する組織があるということについて触れました。これが人事に及ぼす影響としては、

型だけを承継することで、いつの間にか目的や本質を見失い、既存の商品を邪魔する商品開発や意見は排除しようとする空気を生みます。

そのためには、イノベーションを起こそうとする人材や意見を排除しようとする流れが生まれるでしょう。

いわゆる「天才を殺す凡人」という状況が出来上がるということです。

このような組織の状態になることをを防ぐためには、適正な人事評価制度を設けることと、トップがしっかりと現場を観察するということが挙げられています。

適正な人事評価とは

適正な人事評価という面では、例えば日本軍の場合、大きな失敗をした人であっても、「やる気」があるなら、次の作戦も任せるといういわゆる「やる気重視」「組織の意向に従う者重視」の人事が行われました。

そのうえで、後ろ向きな意見や革新的ななどには、目をつぶって遠ざけるようなことをしたわけですね。

これは非常に危険な状態ということがお分かりでしょうか?現代の企業でいうと、環境の変化を無視したワンマン経営といったところでしょうか?よほどの強みがないと生き残れない状態といえるでしょう。

書籍の中では、チャンスをつぶす人として、

自分が信じたいことだけを信じる、他者の意見を理解しようとする姿勢がない③他者の視点を活用することを知らない

などと定義されています。

トップの現場観察

トップが現場を観察することのメリットですが、

・情報が歪んだ形で伝わってくることを防ぐ

・改善へのスピードが向上する

・実行中の不適切な対策を見破る

・新たなチャンスを発見できる可能性が上がる

・最前線のアイデアを取り入れることができる

と紹介されています。

組織としての対応速度が上がるということでしょう。

書籍の中では、自己革新を起こす組織の3つの特徴として、

・客観的環境の変化を見抜くリーダーの洞察力

・異質な情報の交換・知識の交流が行われている

・抜擢人事による均衡破壊が行われている

が紹介されています。

常に組織のモチベーションが上がり保ち続ける仕組みを構築することが重要ということでしょう。

おわりに

今回のテーマは失敗の本質から組織の在り方を見直そうというものでしたが、他人の失敗や経験から学ぶ姿勢は書籍や情報があふれる現代の私たちの強みであると考えています。

常に関節経験を増やし、ビジネスに活かしていく姿勢が求められています!

私も日々アップデートしてまいります!

ではまた!

まとめノート(時間がない方は、これだけ見てもOK!)

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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