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特別受益とは?相続税と切り離せない問題を税理士が解説

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分 3 秒です。

「特別受益」

難しい言葉が出てきましたが、一言で言うとかなりシンプルです。

「特別受益」・・・亡くなった人から財産をもらったタイミングによる不公平感を調整する制度

これだけです。

「遺留分」や「遺産分割協議」を考える際にも、非常に重要な要素なので、是非抑えて頂ければと思います!

この記事で学べること

特別受益とは何か?基本編

特別受益の詳しい範囲 応用編

特別受益が税務実務にどう影響するのか?足し戻す特別受益の計算はどうするのか?

①特別受益とは何か?

特別受益とは何か?

これをもう少し詳しく説明するために、遺産分割について、考えてみましょう。

遺産の分割=亡くなった人が遺した財産を相続人の方々で分ける。

こういうイメージですよね?

だけど、もし、相続人の中に生前に多く財産をもらっていた人がいる場合には、遺産だけを基に法定相続分どおりに分けると相続人間で不公平が生じますよね?
そこで、過去にもらった財産を特別受益として、相続財産に足し戻して遺産分割の計算を行うこととしています。

それでは、どんなものが特別受益になるか?というところですよね?

まず、特別受益になるのは、大きく分けて以下の3つです。

1.結婚、自宅購入、高額な学費などに充てるために、負担してもらったお金

2.扶養義務の範囲よりも不相当に高額な財産をもらった場合のその財産

3.亡くなった人からの遺言により、もらった財産

<参考条文 民法903条>

②特別受益の範囲をもっと詳しく

それでは、特別受益をより深堀りして、説明していきましょう。

応用論点として、以下の3つがあります。

1.何年分までさかのぼるのか?

2.2019年7月からの民法改正の影響

3.死亡保険金は、特別受益に入るのか?

1.何年分までさかのぼるのか?

 こちらについては、今までの判例上や条文上の考え方によると、相続人以外の人に対するものは、1年間(他の相続人とのバランスを崩す意図が明確なものは、1年以上も含んで)さかのぼり、相続人に対するものは、期間をとわず、さかのぼるというものでした。(改正により緩和)

これは、最高裁平成10年3月24日判決でも判事されている通り、相続人に対しても1年間のみさかのぼることにすると、相続人の間でのバランスを取ろうとする特別受益という制度の趣旨に沿わないためと考えられています。

2.2019年7月からの民法改正の影響

これまでの考え方では、相続人に対する贈与などは、期間を問わず足し戻すという考え方だったのですが、2019年7月以降に相続が発生するものについては、相続人に対するものであっても、10年間を限度してさかのぼるという改正がされました。亡くなる10年以上前に行った贈与などは、足し戻さないということですね。

3.死亡保険金は、特別受益に入るのか?

まず、死亡保険金 のそもそも論の取り扱いとしては、契約によって、受取人があらかじめ指定されているため、遺産分割の対象財産に含まれないため、原則としては、特別受益に含まれることも、民法上の相続財産に含まれることもありません。

ただし、これを許すと、相続人の一人のみを受取人とした死亡保険に財産の大半をつぎ込むなんてことも許されてしまうので、さすがにバランスがおかしい場合は、特別受益に含めましょうというのが、判例上の考え方となります。

これは、平成16年10月29日最高裁判決でも触れられている部分ですが、

判例では、「遺産の総額に対する保険金の比率、同居の有無、亡くなった人に対する介護の貢献度合いなどを総合的に勘案しても、到底認めることができないほどの額を保険料として払いこんでいるのであれば、特別受益に含める」としています。

一般的な実務上の指標としては、保険金の割合が、財産全体の半分以上を占めているかどうかが判断の分かれ目になるのではないかという見解もあります。

私個人の意見を言えば、民法903条3項に、亡くなった人が、特別受益に含めないという意思表示をした場合には、遺留分を侵害しない範囲でそれが認められるとなっていることを考えると、死亡保険金の受取を想定した保険料の払い込みは、遺産を渡したいという性格も強く、意思能力あってのものなので、合理的な理由づけを用意しておけば、ある程度は許されるのではないかなと考えています。

<参考条文:民法1030条、1044条>

③特別受益の税務実務への影響

それでは、これが税務にどう影響するのか?

をお話する前に、特別受益により、足し戻す財産の価額についても重要なので、ここについても触れておきましょう。

特別受益により、足し戻す価格は、「相続開始時点の時価」とされています。

事業承継のために、利益を圧縮して、株価を下げて贈与するケースなどがありますが、この場合でもあくまでも相続開始時点の時価により足し戻すということになります。

これは、路線価評価により、引き下げられた不動産等についても同じです。

この部分を結構勘違いしている方も多いので、注意してください!

それでは、税務実務への影響について触れていきましょう。

税務実務での影響としては、

足し戻す時価をどのように考えるのか?

10年間に縛られたことで、生前対策を早く始めたい!

生命保険などはどこまでであれば、特別受益に含めないと考えていいのか?

の大きく3点の相談事に対する対応ではないでしょうか?

このあたりは、また、別の機会にでも触れていきますね。

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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