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家族信託(民事信託)って何?認知症の対策に!自由な承継に!移転コスト節税に!使える制度「信託」の基本

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分 41 秒です。

家族信託という単語は、ニュースでも聞く機会が増えてきましたね。

ここでは、改めて、「信託」って何?をサクッと、基礎基本を解説していきたいと思います。

メガバンクの遺言信託という名の商品は、家族信託ではありませんので、解説対象外です。ご留意頂ければ幸いです。

また、信託会社などが提供する商業的な信託も解説対象外ですので、ご容赦頂けますと幸いです。

それでは、この記事で学べることは何か?というところから入っていきます。

この記事で解説すること

信託の基礎基本、3つのタイプがある信託

登場人物の組み合わせは、3パターン

信託の素晴らしい機能は主に3つある

①信託の基礎基本

まず、信託の基礎基本については、以下のイメージ図をご覧ください。

信託をシンプルに解説すると、

信託・・・「財産を預ける人がいて、預かって管理運用する人がいて、利益を受ける人がいる」

つまりは、登場人物は3人いますよ!ってことなんですね~

ここでいう預ける人が、「委託者」

預かる人が、「受託者」

利益を受ける人が、「受益者」

と呼ぶことになっているんですね~

一般的な契約だと、登場人物は、だいたい2名なので、法律上も珍しい形態なんですね~

たとえば、資産の売買や賃貸だと、売る人、買う人、貸す人、借りる人の2名で進んでいくので、ここが他の契約形態と違うところなんですね~

登場人物を増やそうと思えば、もちろん契約を監視する人や、最後に残った財産をもらう人などいくらでも増やすことができますが、ここでは、とりあえず登場人物は3人いる!とこれだけ覚えてもらえれば十分です!

これが信託の基礎基本というわけです。

①3つのタイプがある信託

そのうえで、信託のタイプあるということですが、これは参考程度に抑えておいて頂ければと思います!

タイプとしては、「遺言信託」「遺言代用信託」「信託契約」なのですが、ここでは、

「遺言信託」

「遺言代用信託」「信託契約」

に分かれるということだけ、抑えてもらえれば十分です。

その違いを一言で言うと、財産を預ける人が生きている間に、始まるかどうかという部分につきます。

「遺言信託」の場合、遺言により、「私が死んだら、○○のように、管理してください」と残す一方的なものに対して、残り二つのタイプは生前から、預かる人との間で契約をしておくので、一方的ではないということになりますね!

そういう意味では、「遺言信託」を実務上使う人はあまりいません。

ただ、「信託」という形式にしておけば、普通の遺言ではできないこともできるので、使う人も少しながらいるのも事実ですけどね。

②信託の登場人物の組み合わせは3パターン

それでは、次のポイントに進んで生きましょう。

ここが一番混乱しやすいところには、なるのですが、「信託」は、登場人物の組み合わせいより、呼び方が変わります。

ただ、そこまで難しい話ではありません!

意味が分かれば非常にシンプルです。

その3パターンを先に整理すると、

A.自分自身で預かるパターン

B.預ける人が利益を受けるパターン

C.預ける人以外が利益を受けるパターン

の3つです。

Aの自分自身で?えっ?ってなりますよね?このパターンは、信託という制度を使いたいけど、自分で管理運用したいな!と考える人が使うパターンとなりますこのパターンを「自己信託」や「信託宣言」と呼びます。ちなみに、利益を受けるのも自分ということにすると、信託の意味がないため、1年経てば終了するというルールになっています。(設定できないという考え方もあります。)

続いて、Bは、認知症対策などに使われることが多いですが、預ける人が利益を受けることも兼ねるパターンです。このパターンは、一番イメージしやすいのではないでしょうか?このパターンを、自分が利益を受けるという意味で「自益信託」と呼びます。

最後にCは、事業承継などに用いられることが多いですが、利益を受ける人を別の人にするパターンですね。配偶者や子、孫に利益を受けてもらいたい!お金がなくて、学校に行けない人達に利益を受けさせたい!など様々です。このパターンを「他益信託」と呼びます。

一歩進んだ話を言えば、受託者と受益者が同一でなければ、信託は成立するので、

「自己信託」であり、「他益信託」ということはありますが、「自己信託」兼「自益信託」というのは、あまりないです。そういう意味では、「自己信託」かどうかで、大きく二つに分けられると言えますね。

とこれ以上を言うと、もうやめてくれ~となるので、この話はここまでにしておきますね。

③信託の機能は3つある

続いて、信託の機能について、ご説明したいと思います。

信託の機能は、主に3つあります。

1.預ける人の破産、倒産、認知症から守る機能

2.利益の受け方を、何階建てかにできる

3.将来的な承継方針まで決めておける機能

1.預ける人の財産状態、精神状態から隔離

1つ目の機能として、倒産隔離機能とも呼ばれる機能ですが、

まず図のように、一度信託を設定しておけば、預ける人が認知症になっても、自由な管理運用が継続できる意思能力からの隔離機能があります。(自由な管理運用が、できるのが後見制度と大きくことなるところ)

不動産の共有者が認知症になってしまい、売却も大規模修繕、担保設定ができなくなって塩漬けになったという悩みをきくことがありますので、そういう経験がある方は信託に興味を示される方も多いです。

また、

一度信託を設定しておけば、預ける人が仮に倒産や破産になったときでも、財産を隔離できる機能とがあります。

もちろん、多額の借入から逃がすためだけの悪意的な信託は、詐欺として、取り消されるリスクがあるので、ご注意ください。

まじめに使う機会があるとすれば、例えば、経営者が自分の経営責任から、自宅だけは守りたい!、この財産だけはこどものためにも確保しておきたい1などのときに使えます。

2.利益を何階建てかに 変える機能

2つ目の機能として、複層化機能というものがあります。

図で示すと、以下のイメージです。

図のように、収益部分と元本部分に分けることもできます。

具体的に言うと、

収益受益権・・・株式や債券であれば、配当金や受取利息が収益分配金となりますし、収益不動産であれば、賃料。

元本受益権・・・株式や債券、不動産の売却や償還による対価を受け取る権利

ということになりますね。

では、なぜ複層化するのか?についてですが、この複層化したそれぞれの受益権を別々の人に分け与えたり、することができるからなんですね。

このことにより、自分が元気なうちは、自分が利益を受取りたい場合や自分が議決権を行使したいというケースなどに使えるんですね。

複雑なことを言い出せば、これをさらに分割したり、時期による操作など更なる複層化も可能です。

これはふろしきを広げだすと、きりがないので、このあたりにしておきますね。

3.先の先まで決めておける機能

3つ目の機能として、自分の先の先まで決めておけるという機能があります。

より正確に言うと、「信託設定から、30年後の受益者の次の受益者になる人まで指定可能」となっております。

あまりぱっとしないかもしれませんが、これは画期的なことです。

たとえば、通常の遺言の場合、自分の先の先までは指定できません。

自分が築き上げた財産を引き継いだ人が、その後売ろうが、寄付しようが、まったく関係ない配偶者の親族に渡ろうが、操作できないことになります。

これを信託であれば、「30年後の人の次」までの範囲には、なりますが、順番を指定することができます。

この機能のためだけに、信託を使う人も多いです。

たとえば、自分の次は、配偶者でその次は、自分の兄弟姉妹へ。や、前の配偶者との間の子へなど

ということにしたい場合に使えますよね。

おわりに

信託について、理解頂けましたでしょうか?

こんなに素晴らしい信託制度が私は大好きなので、実務でもよく提案、対応しているのですが、日本では不思議とあまり浸透していません。

なぜ、浸透しないのか?については、他の記事で語ってみようと思います。

また、応用編である税務メリットに何があるのか、税務リスクとしてどんなことがあるのか?については、別の記事で説明していこうと思います}1

お楽しみに!

ではまた!

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税理士 ヒロ

経営者、数字が苦手な方に寄り添い、税務の立場から支援したいという思いから税理士を目指し、20歳の時に税理士試験に合格しました。 その後、資産承継、事業承継に特化した税理士事務所に入社し、日々顧客の満足とは何か、自分の成長の形とは何かを追い求め、7年目に突入しました。 こちらのブログでは、私の日々の学びやアウトプットを記事として投稿しておりますが、会社経営をされる方、新規事業を考えられる方、事業戦略を考えている方の少しでも参考になれば嬉しい限りです。 私のアウトプットを通して、足りないと感じていた1ピースや、改めて見つめなおすべき1ピースを見つけ、考え直す場として活用頂ければと考えております。

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