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法人税。響きからして難しい税金っぽいですが、一言で言うとこれだけ。
法人税・・・「法人が儲けたお金に対して払う税金」
そこまでは分かっているんだけどという方々もいることでしょう。
そろそろ、法人化したほうがいいかなぁとかどれぐらいの規模なら法人化するべきなの?という相談を受けることも多いため、簡単に整理しようかなぁと思いました!法人化のメリットを考えるうえでも、法人税の仕組みを理解しておくことは、非常に大事なんですよね。
なお、法人化すると、組織体制上のメリットが出る話や、資金調達の上での信頼性アップといった話、他の税金制度の絡みによるメリット、デメリット、事業の承継が簡便になる話、会社法上の保護の話などは、別の機会にて触れることにして、今回は、法人税とは?という部分に着目して、 簡単に触れていければと思います!実際の法人化の検討には、色んな要素で判断してくださいね!
それでは、ポイントから入っていきましょう。ポイントは、以下の3つです。
①税率は、基本的には、利益に対して一定だけど、存在するだけで発生する税金もある。
②税率的な話でいけば、法人化するタイミングは、事業内容による。
③税金の申告書は、複雑だけど、メリットも複数用意されている。
まず、①については、個人所得税が利益の額や、収入の種類によって、税率が分かれるのに対して、法人税は、基本的に一定です。ベースは合わせましょうということですね。ただ、このあたりが、問題視されている部分でもあるのも事実です。ここでは、税率は一律ということだけ抑えて頂ければと思います。
続いて、②については、税率が一定ということは、利益が少ない状態で法人化するのは、損なのか?いつ法人化すればいいんだ?という方々は、参考にして頂ければと思いますが、結論としては、事業内容により異なるということですねー
例えば、不動産事業や小売事業、コンサル業など他の利益と合算して、所得税が計算される事業のように税率がどんどん上がっていく事業内容で利益が出ている場合について考えてみましょう。
法人税の税率を、国税、地方税合わせて30%と仮定すると・・
1,000万円の利益が出た場合には、税金は、300万円ということになりますね。
次に個人所得税との比較ですが、所得に応じて税率が上がって行きますが、1,000万円の場合の税率は、所得税、住民税合わせて43%の水準となります。
1,000万円の利益に対しては、430万円税金ということになるので、これでは法人化したほうが、税金は下がるということになるんですねー。はーなるほど。
ここまでなら、シンプルで済むのですが、所得税の特徴として、収入の種類によって、税率が異なるというのとは別に、特殊な収入や損失は、ほかの損失や収入と通算できないというようなルールがあります。
例えば、株の売買で利益を出した場合、個人であれば、所得税、住民税の税率は、ほかの収入の利益にかかわらず、約20%です。
法人の場合は、30%なので、この場合は、個人所得税率の方が有利となりますね。
このように、事業内容により、異なることになりますね。
ただし、株の売却による損失含め特殊な収入要因による損失は、他の収入による利益と通算できないため、どちらの箱で購入するのかは、よく検討してくださいね。
それ以外にも、個人事業なら、交際費使い放題なのに法人の場合は限度額ある!なんて話もあるので、本来は結構検討すること多いです。。。
最後に③についてですが、参考中の参考ですが、法人化することによる税務メリットが、税率が基本的に一定ということ以外にも複数用意されています。例えば以下の通りです。
・損失の繰越が10年まで可能(個人の場合3年)ただし、大企業には、制限あり。
・研究開発による税額控除ほか設備投資、従業員の給与増加によるものなど複数の税額控除制度
・グループ企業間取引の損益繰延制度、子会社親会社との損益合算申告制度、組織再編による課税繰延制度
ただし、大企業については、税金の種類が増えたり、特典が減らされたりします。
この大企業の判定は、資本金、出資金のみによって、判定していました。
なので、売上規模が数十億円規模の会社でも大企業に該当しないようにして、特典を受けている事例が複数あり、大企業はずるい!と問題視されていたんですねー。このあたりは、2019年より、税制改正により、売上規模も会社規模の判定で一部参酌することになりましたが、まだまだ、資本金による判定文化は根強いです。
業界団体等からの圧力で法律厳しくするのも難しいんですかね。。。
以上3つのポイントからの解説でした!
簡単にというタイトルでしたが、全然簡単ではなかったかもですね。笑
理解の一助になれば幸いです!
ではまた!
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